本能的に好む味と経験で好きになる味があるということ
皆さんお疲れさまです、やおやの内野です(Instagram:@808uchino)。
今回は、子どもの頃の味覚についてまとめてみました。
子どもの味覚は大人の3倍程度
舌にある味蕾という味を感じるセンサーが、30代〜40代頃には子ども時代の約3分の1まで減ってしまいます。つまり子どもの方が大人よりも味覚に敏感であるということから、子どもの頃に多かった好き嫌いも、大人になると平気になってしまうものあるということ。
舌や軟口蓋にある食べ物の味を感じる小さな器官である。 人間の舌には約10,000個の味蕾がある。味蕾が食べ物や飲み物に含まれる化学物質を感知すると、それが電気信号となって脳へ伝わり、酸味や甘味、塩味、苦みなどの味を感じさせます。
また、味蕾は刺激物や喫煙などで摩耗してしまいます。成人男性では約7000個、高齢男性では約3000個ですが、生まれたばかりの赤ちゃんには何と1万個もあるそうです。ピークは生後3カ月。5カ月くらいになると味蕾細胞の数は変わりませんが、味覚だけが鈍感になってく。この時期がちょうど人間の離乳食開始時期くらいになります。
子どもたちは甘いものが好き
甘いものが嫌いな子どもって、いるんでしょうかwというくらい好きな傾向がありますよね。野菜でいうと、ジャガイモやトウモロコシ、カボチャやさつまいもは代表的。
食べ物に対する経験が少ないため、子供は基本的に甘いものが大好きなのです。
生まれてから最初に口にするのは母乳やミルク
よく、粉ミルクの銘柄を変えたり、お母さんが辛いものを食べた後におっぱいをあげたりすると拒否する赤ちゃんがいます。これは、この時期の赤ちゃんの味覚が研ぎ澄まされているから、ちょっとした変化にも気づくのです。生後5カ月くらいで味覚が鈍感になると、それまで飲んでいたおっぱいやミルクとは違う別の味、つまり離乳食を受け入れることができるというわけです。
・糖質=甘み
・タンパク質=うま味
・ミネラル=塩味
この3つがたっぷり入ってる食べ物は、お菓子ですよね。
人間が生きていくうえで不可欠な栄養素が含まれている母乳に近いお菓子や甘いものは本能的に好まれる傾向があるといえます。
ちなみに、苦味や酸味については毒物や腐敗物などを見抜くシグナルであるといわれているので、本能的に好む母乳のような甘味・うま味・塩味とは異なり、経験によって好んでいく味と言えるので、好きになるには食事で多くの経験を積むことが大切です。
満足感の得られる食の経験を
初めての食体験で満足感が得られれば、その食べ物への嗜好が増します(味覚嗜好学習)。よって、最初が肝心ではありますが、子どもが苦手とする食材の香りを調理法で軽減するなどの工夫をしていくことが大事です。
ネオフォビアとは自分の知らない新しいものには恐怖心を抱いてしまうという心理。
新しい食材を食べた際に、腹痛、吐き気、嘔吐などの不快な経験をすることで2度と食べたくなくなってしまいます(味覚嫌悪学習)。
また、食わず嫌いは子どもが新しい物を食べるときに恐怖心からくるものです(新奇性恐怖)
まとめ
いかがでしたか?
味覚から感じる情報だけではなく、心理状態も味に大きな影響があります。
そのため、好き嫌いなく食べてもらうためには、楽しんで食べる環境作りが重要になってくるのです。
・色々な食材を食べさせてあげる
・食感や形、硬さも変化させて
・薄味(塩分が味覚を鈍化させます)
・楽しい食事を心がける